二塁送球1.8秒―「勝てる捕手」になったドラフト候補、東海大・海野隆司の意地
頭にあるのは秋のリーグ戦に勝つこと「最後の秋なので悔いが残らないようにしたい」
また、海野は2年続けて、大学日本代表「侍ジャパン」に選ばれ、今夏の日米大学野球では正捕手として、優勝に貢献。明大・森下や早大の早川隆久投手ら好投手をリードした。
「昨年から(侍ジャパンに)入らせてもらっていますけど、(昨年は)勝ち越せなくて、悔しかった。今回、選んでもらって、絶対に勝ち越したいと思ってやっていました。あんな投手陣がいる中で負けたら、自分の実力不足と言われてしまう。そう見られるので、なんとしても投手を引っ張っていきたい。抑えることができてよかったなと思っています」
宿舎でもバスでも、そして試合直前のギリギリまで投手陣と話をする海野の姿があった。約1週間という短期間では、性格まではわからない。しかし、話をするうちにわかることもあった。全員の投手としっかりとコミュニケーションをとって、投手が投げたい球、調子を聞いてまわった。リードだけでなく、バットでも適時打に本塁打と勝利に貢献。8月26日の高校日本代表との壮行試合では満員のファンが見守る中、左翼席へ本塁打も放った。大舞台でも力を発揮できるメンタルも備わっている。
ドラフト会議が間近に迫るが、今の海野は秋のリーグ戦に勝つことしか頭にない。4番・捕手を任され、大学最後のリーグ戦を戦っている。
「最後の秋なので悔いが残らないようにしたいです。追われる立場としてふさわしい戦い方をしていきたいなと思います」
悔しさから這い上がってきた男は有終の美を飾るため、静かに闘志を燃やしている。