プロ志望の大阪桐蔭エース 根尾、藤原…道標はいつも上を行く「すごかった」先輩たち

右肩を痛めていた期間はコーチとともに患部に負担のかからないフォームを模索し成長

 肩に負担のかからないフォームへの修正、新しい球種への取り組み、ウェイトトレーニングや走り込みなど、投手としての幅を広げることができたのだ。打撃投手や実戦形式の練習でそれを試すことで、生まれ変わった“投手・中田惟斗”としても徐々に自信を取り戻していった。

 181センチ、90キロの体から投じる直球は147キロまで速くなり、最後の夏は再び「背番号1」をつけてマウンドに戻ってきた。大会前、中田は西谷浩一監督に呼ばれこう告げられた。「最後の夏はお前にかかっている」。けがで苦しんだ長い冬も励まし続けてくれた指揮官からの熱い一言だった。

「怪我したからってここで下を向いている場合じゃないぞ、けがしても自分が必要だって。自分が投げたら勝てるって、頑張れって言われました」

 小学生の時にテレビで見た藤浪晋太郎投手(阪神)が背負った憧れの番号で臨んだ最後の夏。大阪桐蔭のエースの重みを感じながら、初戦では毎回の16三振を奪う投球を見せるなど、大阪大会を順調に勝ち進んでいった。準々決勝の金光大阪戦は延長14回、タイブレークにもつれ込む熱戦。チームが2点を勝ち越し、あと少しでベスト4。しかし、マウンドに立ち続けた中田はいっぱいいっぱいだった。その裏、無死満塁から押し出しなどで同点を許すと、最後はスクイズを決められ、サヨナラ負けを喫した。

「自分が子供の時に見ていた松坂選手のような、小さい子に夢とかを与えてあげられるような選手に」

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