高3でTJ手術も「筋肉は裏切らない」 楽天3位の慶大津留崎はダル流トレで進化
大学2年春のリーグ戦で復帰、球速は9キロアップの153キロに
「趣味(のレベル)を超えている」と大久保秀昭監督も舌を巻くほどの向学心。その成果は、はっきりと数字に表れた。2年春のリーグ戦で復帰。高校時代に最速144キロだった直球は153キロまで急成長した。今春のリーグ戦では5試合計5イニング2/3を投げて防御率0.00。今秋も4試合に登板して無失点を続けており、6連勝で首位に立つチームを支える。今月19日からは広島1位の森下暢仁投手を擁する明大との戦いを控え「まずは、この先の野球人生を考えることなく準備をしないといけない」と目先の戦いを見据えた。
慶大でプロ志望届を提出した6選手のうち「一番指名されるのが遅いのでは」と指揮官も予想していただけに、驚きも喜びも格別だった。投げられないどん底から、大学4年間で成し遂げた大逆転。「つらい時期もありましたが、ずっと近くで支えてくれた両親と兄貴に感謝したい」。声が震えた。
報道陣から色紙を渡され、記した言葉は「筋肉は裏切らない」。楽天の本拠地・仙台の印象を問われ「トレーニングにはタンパク質が必要。仙台の牛タンを食べて体をでっかくしたい」と笑いを誘った。涙のち笑顔。鍛え上げた体と豪速球を代名詞に、杜の都へと向かう。
(小西亮 / Ryo Konishi)