長距離打者の“宿命”か パ過去10年の最多三振、シーズン三振数10傑の顔ぶれは?

三振数は、当てに行かず振り抜くという強打者の基本を貫いた証明

 そんな中でも、1位から5位までのうち実に4つを占めているブライアントの存在感は強烈だ。「三振かホームラン」を地で行く豪快なバッティングは人気を集めただけでなく、優勝を手繰り寄せるダブルヘッダーでの4打数連続本塁打、東京ドームのスピーカーに打球を当てる認定本塁打など、数々の伝説的なアーチも生み出している。

 そして、2019年にブレークした村上がいきなり歴代4位にランクインしたという事実も特筆ものだ。昨季までは1位から4位までブライアント氏の記録がずらりと並んでいたが、村上選手がそこに割って入ったことになる。36本塁打、96打点はいずれもリーグ3位で、OPSも.800超え。19歳のにして底知れないポテンシャルを発揮している。

 6位以下にも本塁打王と打点王がそれぞれ3人並んでおり、打撃タイトルを獲得していない岩村もOPS.966とハイレベルな打撃を見せていた。三振数はネガティブな記録ではあるが、球史に残るレベルで思い切りのよい打撃を見せていた選手、すべからく好成績を残していたということも確かなようだ。

 以上のように、ブライアントやかつての中村のように、三振を恐れずに長打を狙っていく姿勢が好成績に結びつくケースは多い。三振の多さはシーズンを通して出場機会を確保したことと、当てにいかずに振り抜くという強打者としての基本を年間を通じて貫いたことの証明でもあるだろう。

 もちろん三振は少ないに越したことはないが、その他の成績が優れていればある程度は目をつぶることができるのも確か。来季以降も失敗を恐れることなく、豪快なバッティングを見せてくれる選手は出てくるだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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