「本当に辛い時期があった」 人生の全てを女子野球に捧げた36歳が涙の引退

幼い頃は心無い言葉も受け辛い時期を過ごす「野球は男子のスポーツ」「女子が野球をやるなんて」

「女子が野球をやるなんて失礼とか、ユニホーム姿でトイレに入る時も迷った時もあった。野球は男子のスポーツなのになぜ女の子がやってるの?って。色々な人に馬鹿にされたりして、幼い頃は本当に辛い時期があった。親にもやめろと言われて一時はソフトボールもしましたが、今では一番、声援を送ってくれるのは両親でしたね」

 高校、大学とソフトボールを続けたが野球への夢を諦めきれず大学中に女子硬式野球日本代表のセレクションを受け合格。ワールドカップにも2度出場し、2010年の女子プロ野球創設メンバーとしてここまでプレーを続けてきた。

 現役選手としてまだまだやれる自信はあるが「自分の心にあるのは立場が変わるということ。今までやってきた10年間は無駄なんか無かった。これをいかして野球界に貢献していこうと思っている」と、現役引退を示唆していた。

 地元・京都で女子野球チームを作る、世界を飛び回って女子野球の普及活動を続ける……。女子硬式野球界のレジェンドは志半ばでユニホームを脱ぐことになったが、幼き頃から変わらない女子野球への思いを胸に新たなスタートを切る。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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