【プレミア12】侍J、スーパーRでは「内角の使い方」が鍵か 前回大会の韓国戦も“教訓”に
メキシコ、米国、韓国との対戦では「内角の使い方、使いどころがすごく重要になってくる」
一方で、9回に登板した山本については配球面で気がかりな部分があったという。この試合では會澤が先発マスクを被ったが、野口氏は「8回までは配球も本当に良かったと思います。ただ、9回の山本のところだけ、急にインコースが少なくなった感じがしました」と振り返る。
「もう少し勇気を出してインコースを攻めてもいいのかなと思いました。山本は、内角を攻められるボールが真っ直ぐだけではない。右打者の内角なら、真っ直ぐとツーシーム両方いける。左打者なら真っ直ぐとカットボールがある。攻める球種としてはそれぞれ2つあります。球の強いピッチャーだけに、やはり内側を使うというのは大事なことなのではないかなと思います。この試合では点差があったから大事にならずに済みましたが、1点差の8回なら同点になっていたわけですから。
何が何でも内角で打ち取るというわけではなくても、外を生かすための見せ球としての内角でもいいわけです。内角の強い球を大事にしていったほうがいいのかなと感じました。山本に関しては、去年はセットアッパーだったのが今年から先発に変わって、その時点で内角の使い方を変えてきていると思います。内角を攻められるピッチャーだけに、というところですよね」
野口氏が、国際大会で内角の使い方が大事だと訴える理由はいくつかある。7日に、同じB組で消化試合となってしまったベネズエラ-プエルトリコの一戦を解説した際にも、改めて気付かされることがあったという。
「ベネズエラとプエルトリコのバッテリーでも、内角を攻めて外角勝負、という配球をしていました。内角を見せて意識させるというのが必要なことなのだろうと改めて思いました。中南米系の選手との対戦では、そういう球が必要なんだろうなと。メキシカンリーグなどのレギュラーシーズンでやっていた選手たちには、そういう相手に対してやってきているものが身についているので、ああいうところでそういう配球が出るのだと思います。なので、攻め方は参考にしたほうがいいのかなということですね。
メジャーリーグを見ていても、スライダーばかり投げるピッチャーはポストシーズンでやられてしまうので使いづらくなる、ということがよくあります。そういうピッチャーは、レギュラーシーズンでは抑えていても、ポストシーズンでは出しづらい。スーパーラウンドでは、メキシコ、アメリカに加えて韓国も中南米系に近い選手が多い。前回のプレミア12みたいに、大谷のような圧倒的な真っ直ぐを持っているピッチャーが出てくるなら外だけでいいかもしれませんが、今回はそうはいきません。内角の使い方、使いどころがすごく重要になってくる」