「外せないものが人生で見つかった」 西武復帰の“いぶし銀”が子供たちに伝えたいこと
プロ入り2年目でチームは日本一に輝くが自身はファーム「このまま終わるんじゃないかなって」
「田辺さんに『お前このままじゃ終わるぞ』と言われました。一生懸命やっていたけど、自分の中で満足していたところがあったんだと思います。田辺さんから見たら、全然足りなかったんでしょうね。甘さが上回っていたんだと思います。田辺さんはそれから付きっきりで指導してくれました」
2年目はファームで89試合に出場、打率.289の成績を残すが、この時1軍の内野手には、現在もスタメンで活躍する中村剛也のほか、中島裕之(現・宏之、巨人)、片岡治大(現・巨人コーチ)がおり、ベンチには江藤智、平尾博嗣(現・2軍打撃兼内野守備・走塁コーチ)、石井義人らが控えていた。全く入り込む余地がなく、この年日本一に輝いたチームを複雑な心境で見つめていた。
「ファームでもそこそこ結果を出し始めて、田辺さんにも『いい感じになってきたな』と言われていたんですけど、1軍に上がれなかった。寮の食堂のテレビで試合をやっているんですけど、一切見たくなかったですね。腐ることもしょっちゅうでした。このまま終わるんじゃないかなっていつも思っていました」
それでも必死に練習に励み、3年目から徐々に1軍での出場を増やしていったが、6年目の12年には1軍での出場は86試合に留まり、打率も.168に落ち込んだ。
「これは自分にしかわからないんですけど、チームの雰囲気が『なんか俺いらないな』ってなってきた気がしたんです。『俺いつ出ればいいんだろう』って。そうなると、モチベーションが全く上がりませんでした」