清原氏の“1人舞台”だったワールドトライアウト オファーの思惑、求められる実効性とこれから
参加選手の間には実力差は大きく、今後に向けた課題も見えた
清原氏がシンボルとなったことで、駆け出しの試みながら認知度は一気に高まった。一方で、トライアウト自体の内容は、第1回らしく手探り。アマチュア選手もいる中で、各選手の実力の幅は大きかった。登板直前にスタジアムDJからインタビューを受ける演出もあり「投げる前で集中している時に話を聞かれてびっくりしました」と苦笑いを浮かべる選手もいた。
主催者によると、MLBからは5球団のスカウトが訪れたというが、NPB球団からはゼロ。NPBへの道は「12球団合同トライアウト」が実質的に最後のアピール機会のようだが、ワールドトライアウトが掲げるのは「日本から世界、世界から日本」。出場選手の中でも、今季限りで西武を戦力外となった高木勇人投手をはじめ海外リーグも視野に入れているケースもあり、ひとつのきっかけ作りになる可能性はある。
NPB経験者の参加は4人。「様子見だったところもあると思う」と加治佐CEOは総括した。それだけに、出場選手の中から新天地を見つける「成功例」を出して、トライアウトとしての実効性を証明していけるかもカギになりそうだ。今回MVPを獲得した高木投手らには資金援助も行う。ワールドトライアウトには「チャンスがある」と選手たちが思えるか――。清原氏という「追い風」を受け、加治佐CEOが表情を引き締めて言った。「2年目が非常に大事だと思っている」と。
(小西亮 / Ryo Konishi)