5年連続Bクラスも若手台頭、山岡&山本に続く投手は? 19年のオリ投手陣を振り返る
新守護神・ディクソン誕生 増井浩俊は150セーブ&150ホールドも…
抑えでは増井浩俊投手とディクソン投手の2人を取り上げたい。本来、守護神は1人に固定されるべきではあったものの、昨季35セーブを挙げた増井が6月に大きく調子を落とし、登録抹消。代わって6月後半から9回のマウンドを任されたのが、通算138試合に先発した実績がある日本球界7年目のディクソン。今季は開幕前の故障で出遅れ、6月の今季初登板から救援に回っていた。1イニング限定の投球に絞ったことで、球速も150キロを超える回数が増え、代名詞のナックルカーブがより効果的に。6月に「来日初セーブ」を含む3セーブを挙げると、残りの3カ月間で一気に15セーブを加えた。
増井も復帰後は本来の守護神としての意地を見せた。8月は10試合に登板し、5試合連続を含む8ホールド、防御率も0.82と安定していた。続く9月は防御率5.00と再び苦しんだが、同2日のロッテ戦で通算150ホールドを達成。阪神の藤川球児投手以来、史上2人目となる150セーブ&150ホールドの快挙を達成した。今季は不本意なシーズンであったかもしれないが、登板数は通算518試合に到達。来季で36歳のベテランとなるだけに、プロ11年目のシーズンはその修正能力が問われるものになりそうだ。
投手陣では、山岡と山本という先発の柱が確率できたことは大きい。一方で、2014年以来となるAクラス復帰のためには、ここでは挙げきれなかった投手を含めた投手全体の底上げが不可欠だ。今季自己最多の19試合に登板したプロ2年目のK-鈴木投手は、102.1回を投げ、4勝6敗、防御率4.31の成績。大卒社会人出身であるため来季は26歳を迎えるだけに、2桁勝利などの高い目標も当然ながら射程圏内に入れてもらいたいところだ。今季、阪神から西投手の人的補償として移籍し、プロ初完封を記録した竹安大知投手や、来季でプロ3年目の24歳を迎える2017年ドラ1・田嶋大樹投手など、来季も数多くの投手に期待が寄せられるシーズンになりそうだ。
今季のチーム防御率はリーグ5位の4.05に低迷してしまったが、一人ひとりの投手にスポットライトを当てると、救援陣を中心に月間成績などで見れば好調時は高いパフォーマンスだったことが見えてくる。一方で、これは裏を返せば個々の投手の調子の波が激しかったともいえる。オフを充実させ、来季の安定感につなげたいところだ。