則本昂、岸が序盤離脱もAクラス入り 美馬移籍の“穴”を埋めるのは…楽天19年投手陣
昨季の最優秀防御率投手は度重なるコンディション不良に悩まされるシーズンに
昨季、最優秀防御率のタイトルを獲得した岸だったが、今季の防御率は3.56と奮わず。登板数(15試合)、勝利数(3勝)ともにキャリア最少にとどまった。開幕戦での離脱後5月に復帰するも、7月には発熱による入院で再び離脱。侍ジャパン強化合宿時も体調不良で先発を回避するなど、コンディション不良が大きく目立ったシーズンとなった。しかし、積極的にルーキーの太田光捕手などの経験の浅いキャッチャーとバッテリーを組むなど、エースとしてチームの成長に貢献した面もある。来季こそは投手陣をけん引し、チームを7年ぶりのリーグ優勝へ導く活躍を期待したい。
ダブルエース不在のチームの救世主となったのが石橋良太投手だろう。育成降格も経験した石橋は今季開幕1軍を勝ち取り、3月31日に待望のプロ初勝利を手にした。規定投球回数には到達しなかったものの、美馬学投手と並ぶチーム2位タイの8勝を挙げる活躍。得意のカットボール、そしてカットボールの対になる球種であり、平石前監督の助言で習得したシュートに磨きをかけ、自らの居場所を手に入れた。
また、今季から投手コーチに就任した伊藤智仁コーチに才能を見出された石橋は5月からは先発を務め、シーズン終了まで先発ローテーションを守り続けた。そんな石橋の課題は序盤の失点だろう。今季は19試合の先発を務めたが、そのうち13試合は3回までに先制点を許しており、被本塁打数はリーグトップの20本。来季はこれらの課題を克服し、さらにパワーアップした投球に期待しよう。