【新春企画】ロッテ井口監督独占インタ・中編 オフに見せた球団の本気度「勝つための環境整備」
美馬、福田をFAで獲得 益田はFA権を行使せずに残留「優勝するまでは…!」
――美馬学投手(楽天から移籍)、福田秀平外野手(ソフトバンクから移籍)の2人は、監督も早くから高く評価していた。
「美馬と福田を取れたのは大きいですね。美馬に関しては、先発ローテを守って投げてもらえることが第一。プラス、うちには打者に向かっていくタイプのピッチャーがあまりいないので、若い投手を引っ張っていく先発のリーダー格がほしいと思っていました」
――美馬投手はマウンドで気持ちが出るタイプ。
「打者から見ても、その気持ちでちょっと押される感じがするタイプ。体は大きくないですけど、マウンドでは大きく見えるタイプのピッチャーなのでいい手本になってほしいなと思いますね」
――福田選手は勝負強いバッティングが魅力。
「勝負強さっていうのは、持って生まれたところがある。ああいう『ここぞ』という場面で打ってくれるバッターはいいですね。彼はソフトバンクでレギュラーではなかったですけど、レギュラーとして十分にやっていける力はある」
――勝者のメンタリティーを持った選手が加わる効果もある。
「そうですね。勝ち癖っていうものはありますから。大事なところで力を発揮できる選手の存在は、いい刺激になるでしょうね」
――福田選手はスピードもある。
「打順の1、2番を任せられるS級の俊足選手が欲しかったので、荻野(貴司)と福田が1、2番に並べば作戦の幅が広がります。うちでスピードがS級の選手は荻野と大海くらいしかいないんですよ。あと、外野の年齢がだんだん上がって、藤原(恭大)みたいな若手との間を繋ぐ選手がいない。そこは本当にうちの補強ポイントですよね。ドラフトでも外野手では高部(瑛斗・3位指名)を取って、佐藤(都志也・2位)もキャッチャーですけど外野もできるので期待しています」
――国内FA権を取得した益田直也投手は行使せずに残留した。
「FAは選手の権利なので、使うのを止めることは全然ないんですけど、残ってくれたことはうれしいです。益田はいつも『監督が日米2000本安打を達成した時(2013年7月26日楽天戦)に僕が打たれて負けてしまったので、優勝するまではずっとやりますよ!』って、いつも言ってくれるんです。そういう思いを持ってくれている選手は『ここぞ』という時に力を発揮してくれる。
去年の最終戦も点差が開いていましたが、益田にマウンドに行ってもらいました。1年間の締めはお前しかいない。ここで敗戦処理のピッチャーを出すわけにはいかない。どんな負けている試合でも、最後はお前が投げてくれって。そういうのを分かってくれる選手。やっぱりロッテが好きなんだなって思いますし、うれしいですね」
(後編に続く)
(佐藤直子 / Naoko Sato)