DeNAが新しい形の野球体験イベント開催 ファーム屋内練習場で「大人の夜間練習」

怪我をしない投げ方を指導する塚原賢治氏【写真提供:YDB】
怪我をしない投げ方を指導する塚原賢治氏【写真提供:YDB】

「野球ファンを増やしたい」と願う塚原氏、キーワードは「学び」と「笑顔」

 近年、NPBの観客動員数は増加の傾向にあるが、野球の競技人口は減少し、野球の将来を危惧する声も聞かれる。そんな中、影響力の大きいNPB球団が、すでに野球をプレーする層に限らず、年齢性別、経験の有無を問わずに幅広い層を対象に、野球を身近に感じるための働きかけをする意義は大きい。

「日本の人口そのものが減り、スポーツ競技が多様化する中で、野球人口を増やすのはなかなか難しいことだと思っています。なので、今回のイベントも『野球って面白いね』と感じてもらいたい、単にベイスターズファンだけではなく野球ファンを増やしたいという思いから始まっています。野球を見るだけでもいいですが、少しでも野球に触れるという部分で、僕らが関わっていけたらいいなと思いますね」

 球団が運営するベースボールスクールで講師も務める塚原氏は、「学び」と「笑顔」をキーワードにレッスンに臨んでいるという。

「子どもたちだけではなく、我々大人にとっても学びの場であることを目指しています。成人教育論で知られるジャック・メジローが『大人の学びは痛みを伴う』と言っていますが、大人の場合、学びを得るために今までの自分を否定しなければいけないこともある。それでも学ぶ姿勢は忘れないようにしたいですよね。そして、ただおふざけの笑顔ではなく、全力で頑張って、時には我慢をしながらも、目を輝かせながら野球ができる。この笑顔を大人でも子どもでも持ってもらいたい。スクールに限らず、今回のようなイベントでも、この2つのワードを目指していきたいと思います」

 野球をきっかけに生まれる学びと笑顔を、少しでも多くの人々に体験してもらいたい。参加者の表情を見れば、その思いは間違いなく伝わったと言えそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY