4年ぶり支配下の中日濱田達郎の現在地 「結果を残して取り返したい」ものとは

4度のメスで腐りかけた時期も“心の成長”「だんだんと周りが見えるようになってきました」

 野球の神様がいるとするなら、長い間そっぽを向かれてきた。高卒プロ2年目の2014年に5勝を挙げたが、その年の登板中に左肘靭帯を損傷。15年からの2年間は未勝利に終わった。度重なる故障に見舞われ、左肘などにメスを入れたのは実に4度。腐りかけた時期も経て、いつしかありのままの現実を受け入れるようになった。「プロでの年数もあるかもしれませんが、だんだんと周りが見えるようになってきました」。怪我の功名で得た“心の成長”が、確かに復帰への道を支えた。

「まだまだ、ここからですよ」。そんなにたやすい世界ではないとは分かっている。1軍登板からは、もう3年以上も遠ざかっている。「1軍に上がったときに力んでおかしくなっても仕方ないので、今は自分のイメージ力で補いながら準備しています」。シャドーピッチングひとつやるにしても、常に打者やカウントなどを想定し、実戦的な意識を心がける。

 野球ができる喜びは、誰よりも胸に刻んでいるつもり。「僕に期待してくれる人がいるのなら、しっかり任された役割を全うしていくだけです」。背番号が2桁になっただけでは、もちろん満足なんてしていない。プロ入りから4年間背負っていた43番には愛着がある。「結果を残して、取り返したいですね」。大歓声に迎えられた「浜ちゃん」が、ナゴヤドームのマウンドで仁王立ちする日が待ち遠しい。

(小西亮 / Ryo Konishi)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY