348日ぶりの実戦復帰は最速144キロ 鷹サファテは本当に復活できるのか?

ソフトバンクのデニス・サファテ【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのデニス・サファテ【写真:藤浦一都】

3日のヤクルト戦で実戦復帰を果たしたサファテは1回を1安打無失点

 3日にPayPayドームで行われたヤクルトとのオープン戦で348日ぶりに実戦復帰を果たしたソフトバンクのデニス・サファテ投手。2019年3月21日の楽天とのオープン戦以来となる実戦のマウンドに上がった右腕は6回の1イニングを投げて1安打無失点、最速は144キロだった。

 6回から4番手としてマウンドへ。先頭の西田への初球は143キロ。2ボールからの3球目で遊飛に打ち取った。続く西浦には143キロの真っ直ぐを弾き返されて中前安打とされたが、中村の3球目で西浦が盗塁に失敗。2死となり、最後はこの日最速の144キロで中村を中飛に打ち取った。復帰登板は1イニングを投げて1安打無失点だった。

 NPB通算234セーブ、2017年にはプロ野球記録となるシーズン54セーブという前人未到の大記録を打ち立てたサファテ。全盛期は150キロ台中盤から後半のストレートを投げ込み、まさに文字通り打者をねじ伏せてきた。鬼神のごとき姿に、ファンは「キング・オブ・クローザー」とサファテのことを呼んだ。

 ただ、この日の最速は全盛期に遠く及ばない144キロだった。ストレートは140キロ台ちょっと。試合中継を見ていたファンからすれば、物足りなく映ったことだろう。でも、考えて欲しい。サファテは股関節の手術という、復帰が困難とも言える故障を乗り越えようとしている。実戦はほぼ1年ぶり。まず、無事にマウンドに立てたことが重要だった。

 工藤公康監督や森浩之ヘッドコーチは口を揃えて「まずは投げられて良かった」と、実戦のマウンドに帰ってきたことを喜んだ。現時点で内容は二の次。サファテ自身も「大きな一歩だと思う。投げ終わっても、どこも痛くない。まず明日、体がどんな反応をするか」と語っており、実戦の舞台に戻ることがこの日の目的だった。

現時点では内容は二の次、まずは痛みなく投げられたことが大きな一歩に

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