加藤豪将、柔軟性生かした打撃フォーム習得 支えたのは独特のトレーニング法で鍛えた「身体」

この7年で体重約10キロ増、食が細いためキャンプ中の朝食は3度に分けて摂るという

 3月4日(同5日)のアストロズ戦に途中出場した際に、加藤は終盤に回った打席でメジャー5年目の中継ぎ右腕デベンスキーと対峙。外角高めの初球直球を狙い打ったが、捉えきれず左飛に倒れた。試合後、その打席を振り返り「いいスイングだったので良かったです」と歯切れがいいのは、バットの軌道がイメージ通りに描けている証であろう。

 欧米人とは骨格が違う加藤の体の使い方に着目し、理想的なスイングを完成の域に近づけたプランティアコーチとのオフを「ほぼ毎日お邪魔しました」と笑み交じりに振り返った加藤。この7年で体重は約10キロ増え現在は約91キロ。しかし、キャンプが進むうちに徐々に落ちていくため、シーズン中に心掛けるのは約88キロ。だが、食が細いだけに維持は結構難しいようだ。

 加藤は朝食を済ませるのに人の3倍の時間を費やしている。

 毎朝の起床は午前5時15分。35分後にキャンプ施設入りし朝食を口にするが、その後2度に分ける。6時45分から行う室内ケージでの打撃練習後に軽くつまみ、30分後に始まるフィールドでの内野守備練習を終えて残り物の平らげにかかる。加藤は「なんかいっぺんに食べられないんですよね」と苦笑する。

 18歳で親元から離れ、檜舞台を目指して世界中から集ったライバル達との人間関係にも適応してきた加藤。食事面も含め経験した者でなければ分からない幾つものストレスを凌駕し悲願の達成まであと一歩と近づいた今、一番食したいものは何か――。この問いかけに、微笑ましい答えが返ってきた。

「母の豚の生姜焼きです!」

 両親から受け継いだしなやかな肢体は、技術の向上を支える確かな力になっている。

次回は、加藤豪将の「技」について掘り下げる。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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