少年野球にリーグ戦導入の動き 一発勝負、負けたら終わり、トーナメント戦の弊害とは?

中学、高校ではリーグ戦導入の動き、控え選手などにも出場機会が増加

 アマチュア球界からも「リーグ戦を導入すべきだ」という声が上がりつつある。リーグ戦は「一戦必勝」の勝ち抜きではなく、勝率、勝利数の比較によって優劣を競う「負けることが許される」大会だ。

 成績や対戦相手によっては、控え選手を抜擢するなどベストメンバー以外の選手の出場も可能になる。また対戦チームがあらかじめ決まっているので、投手のローテーションを決めることも可能だ。さらに多くの選手に出場機会を与えることが可能になり、チーム全体の経験値も高めることができる。

 少年野球チーム、堺ビッグボーイズは、連盟のトーナメント大会にも出場しているが、同チームを運営するNPO法人BBフューチャーは、同時に秋に近隣チームに呼びかけて独自のリーグ戦「フューチャーズリーグ」を主催している。このリーグでは1試合12人以上を出場させることや、学年ごとの球数制限を設定するなどユニークなルールも導入している。大会関係者は「失敗を恐れず思い切ったプレーをする選手が増えた」と語っている。

 高校野球でも、地域の高校で非公式のリーグ戦を行う動きが出てきた。部員数が多い高校の中にはAチーム、Bチームとチームを分けてリーグ戦に参加しているところもある。強豪校の中には、部員が多すぎるために3年間、1度も試合に出ることなく終わる部員も少なくないが、リーグ戦を行えば、こうした控え選手にもチャンスを与えることができる。

「高校野球は“負けたら後がない”からいいんだ」と言うファンも多いが、本来は「学校部活」だ。教育的見地に立っても高校生に「学びの場」を与えるためにも「リーグ戦」の導入を検討すべきだろう。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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