野球人生を左右する「野手転向」 西武川越らはブレークなるか…過去の成功例から探る

福浦氏は遅咲きながらも18年に2000本安打を達成

 次に紹介する3選手は、野手転向からレギュラー定着まで4年以上とやや時間のかかった選手たちだ。しかし、その後の活躍はいずれも目覚ましいものであり、野手転向の成功例ともなっている。それぞれの成績は以下の通り。

○福浦和也氏(元ロッテ)
1994年
1軍登板なし
【1995年~1996年】
1軍出場なし
【1997年】
67試合 218打数63安打 6本塁打23打点 0盗塁 1犠打 打率.289
【1998年】
129試合 465打数132安打 3本塁打57打点 1盗塁 0犠打 打率.284
【通算成績】
2235試合 7039打数2000安打 118本塁打935打点 10盗塁 34犠打 打率.284

○雄平(高井雄平)外野手(ヤクルト)
【2009年】
1試合 0勝0敗 1回 0奪三振 防御率0.00
【2010年~2011年】
1軍出場なし
【2012年】
47試合 143打数40安打 0本塁打8打点 2盗塁 3犠打 打率.280
【2013年】
13試合 37打数11安打 2本塁打3打点 0盗塁 0犠打 打率.297
【2014年】
141試合 547打数173安打 23本塁打90打点 10盗塁 1犠打 打率.316
【通算成績】
925試合 2925打数858安打 66本塁打377打点 38盗塁 18犠打 打率.293

○嶋重宣氏(元広島、西武)
【1998年】
1軍登板なし
【1999年】
47試合 118打数33安打 3本塁打20打点 1盗塁 1犠打 打率.280
【2000年】
41試合 52打数13安打 0本塁打7打点 1盗塁 0犠打 打率.250
【2001年】
17試合 16打数3安打 0本塁打2打点 0盗塁 0犠打 打率.188
【2002年】
1試合 1打数0安打 0本塁打0打点 0盗塁 0犠打 打率.000
【2003年】
2試合 2打数1安打 0本塁打0打点 0盗塁 0犠打 打率.500
【2004年】
137試合 561打数189安打 32本塁打84打点 6盗塁 1犠打 打率.337
【通算成績】
1034試合 3116打数868安打 126本塁打421打点 22盗塁 2犠打 打率.279

 福浦氏は93年のドラフトで7位指名を受けロッテに入団したが、故障もあって同年途中に早くも野手へと転向する。プロ入り後3年間は1軍出場がなかったが、1997年途中に1軍に抜擢されるとシーズン終盤には3番打者に定着。以降、主力打者として活躍した。01年には打率.346で首位打者に輝き、2度の日本一にも大きく貢献。地元出身の生え抜きとしてファンからの人気も高く、18年には2000本安打の偉業も達成した。

 雄平は東北高時代に超高校級左腕として注目を浴び、2球団競合を経てヤクルトに入団。投手として7年間で通算144試合に登板し、07年にはシーズン52試合に登板して12ホールドを挙げたが、制球難が改善されず10年から打者に転向。その後も4年間は雌伏の時が続いたが、14年の野手転向5年目、プロ12年目にして外野手としてレギュラーを獲得。現在に至るまで、チームの主軸として躍動を続けている。

 嶋氏も東北高出身、雄平の先輩にあたり、ドラフト2位という高評価で広島に入団。しかし、1軍では4年間でわずか2試合の登板にとどまり、99年に野手転向。その後も1軍定着を果たせずにいたが、04年に一気に飛躍を遂げて首位打者と最多安打の2冠を獲得。野手転向6年目、投手時代も含めてプロ10年目にしてついに果たしたブレークだった。背番号55にちなんだ「赤ゴジラ」の愛称とともに鮮烈なインパクトを残した。

西武木村は外野レギュラーの座を奪取、今季も定位置キープを狙う

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