選抜が消えた日… 長崎・創成館が大型看板とブログに記した次へ向かう気持ち

中止決定に奥田校長は主催側に「感謝」、電話の向こうで感じた誠意

 様々な議論がされる中で下された決断。涙を流す出場校の指導者、選手もいたが、創成館の奥田校長は「感謝しています」と日本高野連ら主催側へ敬意を表する。

「この決定がされるまで、日本高野連本部の方々と多くの情報をやりとりさせていただきました。日に日に声がかすれていて、寝ていないんだろうな、疲れているだろうな……ということが電話の向こうから感じられました。開催に向けて動いていただき、最後は『申し訳ない』と言われましたが、私はありがとうございました、少しお休みになられてください、と伝えました」

 辛く、たまらない気持ちだったのは学校側だけはない。みんなが苦しい現実と向き合っていた。記したブログのメッセージが、多くの人が背負っていた重い荷物を少しだけ軽くしたのではないか。

「耐えて、耐えて、耐え抜いて、強く優しい人間になりましょう」
「成長できる機会と信じて、この時を活かしましょう」

 10年後、20年後、創成館の選手だけでなく、聖地に立つはずだった球児たちにもこの言葉を贈りたい。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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