「新庄2世」が与田中日でブレークなるかートレード移籍で取り戻した「小学生の心」
“原点回帰”した野球への思い「今、ヒットを打つと素直にうれしいんです」
迎えた移籍2年目。「失敗してもいいから、思い切っていけ」というコーチ陣の言葉が、能動的な考えを促す。キャンプは自ら課題を考え、思うように実践した。スイングの際に上体が突っ込む癖を矯正。「自分の中ではすごくいい」と手応えを感じる。キャンプ地が宮崎だったオリックス時代は花粉症が大敵だったが、飛散が著しく少ない沖縄では全く悩まされないという思わぬ“追い風”もあった。
「今、ヒットを打つと素直にうれしいんです。小学生の頃の気持ちを思い出すようで」。もちろん仕事としての使命感を忘れてはいないが、ただ野球が楽しい。キャンプ中の練習試合で2本塁打を放ち、オープン戦に入ってからも、2月29日の広島戦(ナゴヤドーム)で左翼スタンドへソロ。前向きな気持ちと真摯な姿勢は、徐々に結果に現れてきている。
中日の外野は中堅の大島洋平、右翼の平田良介が盤石。左翼は現状、福田永将が有力だが、果敢に勝負を挑んでいく。開幕が不透明な状況でも、打席で示す姿は変わらない。「左ピッチャーは得意だと思っているので、まずは右の代打からでもいいのでアピールしていって、徐々に試合に出るチャンスを掴んでいきたいです」。名古屋では、しっかり花を開かせてみせる。
(小西亮 / Ryo Konishi)