ドラフト後の“採点”は当たるのか? 2011年を検証、12球団の指名選手の現在は…
低評価だった横浜とヤクルトは9年後も成果は厳しいか…
菅野に入団を拒否された日本ハムだが、2位で松本剛、4位で近藤健介、6位で上沢直之と後の中心選手が加入している。菅野が加入すればなお良しだっただろうが、それでも十分な成果を上げている。
中日は高橋がようやくブレークを果たし、田島も近年は成績を落としているが、2017年には34セーブをマークするなどリリーフとして活躍。ソフトバンクは武田が1年目にいきなり8勝、2015年と2016年に2年連続2桁勝利。5位の嘉弥真新也も左キラーとして欠かせぬ存在となっている。
オリックスは1位で安達了一、3位で佐藤達也、4位で海田智行を指名。チームの正遊撃手、そして2014年・リーグ2位の立役者で2年連続で最優秀中継ぎを獲得した、投打の中心選手を獲得している。7位にも小島、8位に川端と下位指名でも1軍で活躍した選手が揃っており、まずまずの成果を出している。
では、逆に評価の低かった球団はどうか。この年、特に辛口の“採点”を受けていたのは横浜(現DeNA)、ヤクルトか。藤岡、そして松本竜也の抽選に外れ、1位で北方悠誠を指名した横浜。北方はイップスの症状などもあり1軍登板のないまま、3年目のオフに戦力外に。4位の桑原が一時、レギュラーの座を担い、2位の高城も1軍でプレーしたが、低評価を覆せるほどの成果は出ていないか。
高橋のクジを外したヤクルトは光星学院の川上竜平を指名。ただ、1軍での出場がないまま、5年目の2016年オフに戦力外に。2位以下で指名された選手も目立った成績を残せず、2018年オフに3位の比屋根渉と6位の古野正人がチームを去った。指名選手全員が退団したのは、12球団でヤクルトだけだ。
伊藤隼太を単独指名した阪神だが、伊藤隼はレギュラーには手が届かず。2位以下も厳しい結果に終わり、5位の松田遼馬は移籍したソフトバンクで昨季自身最多の51試合に登板した。このほか、菅野を逃した巨人は1位で松本竜也を指名したが、既に退団。ただ、4位の高木京介がリリーフとして活躍し、2位の今村信貴や7位の田原誠次も1軍の戦力になった。
広島は1位の野村が2016年に最多勝に輝くなどローテの一角を担い、2位の菊池は球界を代表する二塁手となった。藤岡を外して武藤好貴を指名した楽天は6位の島内宏明や4位の岡島豪郎が中心選手として活躍。西武は1位の十亀剣がまずまずの働きを見せているが、2位以下で主力は育っていない。