打線のおかげ、エースの意地と様々… パ・リーグ「最高勝率」受賞者の傾向を振り返る

2010年以降の各年における傾向はいかに?

 直近2年については先述した通りの結果となったが、それ以外の年についてはどのような傾向が出ているのだろうか。2010年から2017年までの数字も、同様に確認していきたい。

○2010年
杉内俊哉(ソフトバンク)
27試合 16勝7敗 勝率.696 182.2回 218奪三振 防御率3.55
チーム打撃成績(シーズン順位:1位)
144試合 打率.267(5) 638得点(4) 1308安打 134本塁打 148盗塁

○2011年
田中将大(楽天)
27試合 19勝5敗 勝率.792 226.1回 241奪三振 防御率1.27
チーム打撃成績(シーズン順位:5位)
144試合 打率.245(5) 432得点(5タイ) 1140安打 53本塁打 130盗塁

○2012年
攝津正(ソフトバンク)
27試合 17勝5敗 勝率.773 193.1回 153奪三振 防御率1.91
チーム打撃成績(シーズン順位:3位)
144試合 打率.2524(3) 452得点(5) 1195安打 70本塁打 144盗塁

○2013年
田中将大(楽天)
28試合 24勝0敗1セーブ 勝率1.000 212回 183奪三振 防御率1.27
チーム打撃成績(シーズン順位:1位)
144試合 打率.267(2) 628得点(2) 1287安打 97本塁打 62盗塁

○2014年
岸孝之(西武)
23試合 13勝4敗 勝率.765 161.1回 126奪三振 防御率2.51
チーム打撃成績(シーズン順位:5位)
144試合 打率.248(6) 574得点(4) 1187安打 125本塁打 74盗塁

○2015年
大谷翔平(日本ハム)
22試合 15勝5敗 勝率.750 160.2回 196奪三振 防御率2.24
チーム打撃成績(シーズン順位:2位)
143試合 打率.258(3) 615得点(3) 1238安打 106本塁打 134盗塁

○2016年
和田毅(ソフトバンク)
24試合 15勝5敗 勝率.750 163回 157奪三振 防御率3.04
チーム打撃成績(シーズン順位:2位)
143試合 打率.261(3) 637得点(1) 1240安打 114本塁打 107盗塁

○2017年
千賀滉大(ソフトバンク)
22試合 13勝4敗 勝率.765 143回 151奪三振 防御率2.64
チーム打撃成績(シーズン順位:1位)
143試合 打率.259(2) 638得点(2) 1208安打 164本塁打 73盗塁

 上記の選手の中で、チーム成績、打撃成績ともに苦しい中で最高勝率のタイトルを獲得した投手としては、2011年の田中投手、2014年の岸投手の2人が挙げられる。また、2010年の杉内氏や2012年の攝津氏のように、チーム成績は優れていても、チーム打率や得点数の面ではリーグ下位に位置していたケースも存在している。

 もちろん、シーズン24連勝を記録した2013年の田中投手をはじめ、2016年の和田投手や2017年の千賀投手のように、優れた打線の力をきっちりと勝ち星に結び付けてタイトルを獲得した投手たちも存在している。それでも、打線が湿りがちな中で最高勝率を掴み取った投手たちの数は決して少なくないと言えるのではないか。

新人ながら様々なタイトルを獲得した、1980年の木田勇氏の場合は?

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