打線のおかげ、エースの意地と様々… パ・リーグ「最高勝率」受賞者の傾向を振り返る

新人ながら様々なタイトルを獲得した、1980年の木田勇氏の場合は?

 ここからは、過去のパ・リーグにおいて同様の傾向を示していた最高勝率の受賞者たちを挙げていきたい。まず、1980年に新人ながら最多勝、最優秀防御率、最高勝率の投手3冠(当時連盟表彰のなかった最多奪三振を含めると4冠)を達成し、新人王に加えてMVPも受賞するという離れ業を演じた、木田勇氏の例を見ていこう。

○1980年
木田勇(日本ハム)
40試合 22勝8敗 勝率.733 253回 225奪三振 防御率2.28
チーム打撃成績(シーズン順位:3位)
130試合 打率.264(5) 593得点(6) 1137安打 167本塁打 115盗塁

 当時のパ・リーグでは前期と後期の2シーズン制が導入されており、同年の日本ハムは前期・後期ともに2位。通年の成績では3位だった。好成績を支えたのはリーグ唯一のチーム防御率3点台(3.61)を記録した投手陣で、木田氏の他にも先発陣の一角だった高橋直樹氏と間柴茂有氏がそれぞれ10勝、高橋一三氏も9勝を記録している。

 その一方で、打線は打率がリーグ5位、得点数がリーグ6位と強力とは言えず。通年の成績で1位だった近鉄はチーム打率.290、791得点を記録しており、この年のパ・リーグにおいて、チーム総得点が600を下回ったのは日本ハムだけだった。それでも22勝を積み上げた木田投手をはじめ、先発陣が多くの勝ち星を記録しているのは興味深いところだ。

苦しい時代を過ごしたロッテも、出色の戦績を残した投手を複数輩出

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