DeNA今永が“意識高い系”と呼ばれるワケ「この1年間をどう過ごすのか」

シーズンオフ短縮を想定、東京五輪も見据えて準備「いろんなこと対応、順応できることを求められている」

 自宅では海外ドラマを視聴する時間を増やした。これも単なる娯楽ではない。「豪州(2018年オフに志願して参加したオーストラリアン・ベースボールリーグ)で、どうやったら英語が上達するのかと現地の日本人に尋ねたら、『ドラマを音声日本語・字幕英語にしたり、逆に音声英語・字幕日本語にしながら見ると上達しやすい』と聞いた」からだ。昨季オフには米シアトルに渡り、メジャーリーガーも利用するトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」などで約2週間自主トレを行い、視野を広げた経緯もある。

 最近ハマっている自炊にも、「昨日はカオマンガイ(タイ料理で蒸し鶏を添えたご飯もの)を作りました。体組成を計ったら、自主練習になってから筋肉量が落ちていたので、体脂肪率は落とし、筋肉量を増やすために、低脂質・高たんぱくのものを取るようにしています」と説明が付く。

 侍ジャパンでも、昨年3月のメキシコとの強化試合、11月のプレミア12に登板しており、不可欠な存在になりつつある。「いろんなことに対応、順応できることを求められていると思う。東京五輪は1年延期されましたが、この1年間をどう過ごすのかを(侍ジャパン首脳陣から)見られていると思う」と自覚十分。実際、通常のプロ野球のベンチ入り選手数は25人だが、五輪では24人。登録できるスタッフの数も限られており、コーチが打撃投手役を務めるなどはよくあること。メダルなしに終わった2008年北京五輪では、“多国籍”の審判の判定、ナイターもあれば午前10時半開始の試合もある日程などに、選手たちは戸惑った。東京五輪には自国開催というメリットがあるとはいえ、国際試合ではやはり対応力・順応力が大事になるのだ。

 前例のない、誰にとっても不安なシーズンをもレベルアップのチャンスに変えようとしている今永。いつまで続くとも知れないインターバルを越えて、公式戦のマウンドに上がる日が楽しみだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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