コロナ禍でも異国に留まる日本人 フィリーズ本間氏が語るドミニカの現状と思い
「この今の時期も、こうして練習ができることをチャンスだと思えるかどうか」
実際、オフシーズンになると、メジャーの選手もキャンプインに備え、2月中旬までアカデミーに来て打撃練習を行う。選手たちにとっては夢を間近で感じることができる最高の環境だ。
現在、ドミニカのアカデミーでの練習の有無は球団によって異なるといい、隣接するツインズやヤンキースのアカデミーにもベネズエラ人選手たちが残っているが、練習はやっておらず、近隣にあるカブスはケージでの打撃練習と筋トレだけに限られているという。また、フィリーズでは通常通り、選手たちに日当も支払われているそうだ。
ドミニカのアカデミーでは例年、この時期は練習試合を重ね、6月から8月にかけてルーキーリーグとよばれるサマーリーグが行われる。そして結果を残せば米国に渡り、A、2A、3Aとステップアップを重ねていけば、その先にはメジャーの舞台が待っている。
「彼らはまだまだやるべきことがたくさんある。他の選手たちが満足に練習ができていないこの今の時期も、こうして練習ができることをチャンスだと思えるかどうかですね」
ドミニカのルーキーリーグからメジャーまで這い上がれる選手はごく僅か。本間氏は、アメリカンドリームを実現すべく、強い太陽の日差しの下で練習を重ねている若き選手たちを支えるために、このコロナ禍の中でも、変わらぬサポートを続けている。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)