盗塁阻止時における捕手の送球コントロールを分析 鷹甲斐、中日加藤、巨人小林は?

ポップタイムに大きな差がない甲斐と森には制球面で違いが

 ここからは捕手ごとの比較を行っていく。まずはソフトバンクの甲斐、そして昨季のパ・リーグMVPである西武の森友哉の数字を見ていく。

 コントロールを見る前にスピードについて確認しておきたい。昨季の二塁送球平均ポップタイムはNPB平均が1.96秒。これに対し甲斐は平均1.88秒、森は1.92秒を記録している。甲斐の値はさすがだが、森もポップタイムに関しては十分なものがある。

 さてコントロールだ。イラストはさきほどのものと同様の基準を使い、それぞれのコースにどれだけの割合で送球が行われたかを示したものだ。さきほどのイラストは盗塁阻止率だったが、今回は送球の割合を示している。

甲斐拓也と森友哉のコース別送球割合を比較【画像:DELTA】
甲斐拓也と森友哉のコース別送球割合を比較【画像:DELTA】

 まずそれぞれの高め2つの行に注目したい。甲斐は頭より上のコースはいずれも送球割合が2.0%以下に抑えられている。これに対し、森は5%前後のコースが多い。甲斐に比べると、森の送球は高めに浮くことが多いようだ。またベース周辺への送球割合も低い。森は送球スピードには秀でているものの、制球にまだまだ課題を残しているようだ。

 甲斐は送球が胸より上にいかないことを、城島健司氏が称賛する報道も以前にあった。昨季のデータから見ても、甲斐の低めに集める能力の高さがうかがえる。ワンバウンドやショートバウンドの割合は森よりやや高いが、これはとにかく高くならないよう、低く投げることを意識しているからかもしれない。

“甲斐キャノン”以上!? 球界最速“加藤バズーカ”VSポップタイムは平均的もコントロール抜群の小林

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