【消えた選抜からの道6】「仕方のないことは考えない」 中京大中京が過ごす雌伏の時
「今考えても仕方のないことは考えない」 指揮官が見ている本質
今も全体練習を継続中の学校、リモート練習など様々な取り組みで夏へ向け調整する学校も多い。また、各地で大会が中止に追い込まれることで選手の進路に悩む指導者もいる。高校野球界屈指の名門といえど、前例のない状況のなかで不安はないのか。
「(不安が)ないと言ったら嘘になりますが、どれも今は考えても仕方のないことですから。選手たちは昨秋全国で勝って、それぞれに将来的な目標もある。大会がなくなって将来に不安な思いがあっても、そこでじゃあどうするかと今進路の話はできない。夏にしてもそれ(開催や中止)はそのとき考える。高校野球ファンの方は開催を心待ちにしてくれていますが、現実は野球野球と言ってられるような状況ではない。考える時間はあるので、今は自分の家庭や人生を見つめなおす時間に当てています」
春夏通算11回と全国最多の優勝回数を誇る中京大中京。戦前から続く伝統の野球部だからこそ、本質を見失わず、今はじっと雌伏の時を過ごしている。
(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)