観客入場解禁の台湾プロ野球 NPBの“お手本”となるチケット販売方法や現地の様子は?
チケットは購入者が特定できるように予約制に
また、台湾プロ野球から8日の試合への来場を打診されたものの、「防疫対策の関係者こそが相応しい」と辞退した蔡英文総統はVTRで登場。全世界の医療・介護スタッフに向けて「あなた達は、皆にとってのMVPだ」と感謝すると共に、台湾の野球、防疫対策の関係者にエールを送った。
8日まで、国内感染が26日連続で0人と抑え込みに成功している台湾だが、台湾プロ野球では、観客の入場開放にあたり慎重な対策を講じた。昨季まではコンビニエンスストア内の端末で自由に購入ができたチケットが、今回は予約制に。座席位置から購入者が特定できるようにシーズンチケット購入者以外は、会員登録、ログインが必要なウェブサイト上で予約する形になった。
6日の正式発表から日数がなかったことに加え、飲食禁止を含む厳格な入場ルールもあり、8日の初戦のチケット販売への影響も予想された。だが、シーズンチケット購入者、ファンクラブ会員から優先発売が始まったチケットは2試合共に完売した。
台湾プロ野球の呉コミッショナーは「ファンの皆さんも、さまざまなルールに慣れない点はあるかと思うが、是非とも協力を願いたい」と訴え、ファンの協力によって上限人数の引き上げや、飲食の解禁、家族固まっての観戦などが、近いうちに実現することを期待した。
ファンは、観客を入れての試合開催をどのように捉えただろうか。毎年、シーズンチケットを購入し、昨年は主催60試合全試合を観戦したという熱烈な女性ファンの林さんは、はやる気持ちを抑えきれず一番乗りで球場にかけつけた。林さんは「入場解禁は早くて後期、7月くらいからと思っていたのでとても嬉しい。球場についた瞬間はそれほど実感はなかったけれど、スタンドで試合を見始めたら、臨場感が増してきて感動した」と笑顔で語った。
また、当日の午後にチケットを購入したという男子学生の蘇さんは、「とにかく嬉しい。飲食禁止については耐えられる。なによりも今は、球場で試合が見られることが第一だ」と目を輝かせた。試合は、ホームチームの富邦が1-2の6回裏に、打者9人の猛攻で4点を奪って逆転。統一も終盤追い上げたが、富邦が7-6で逃げ切り、記念すべき観客入場解禁初日を勝利で飾った。