経済、治安悪化…命の危機に直面しても野球が好き 南米で働く日本人トレーナーの思い

経済危機の影響で国内の治安は年々悪く…「夜は赤信号でも止まるな」

 10年には元中日の岩田慎司氏が武者修行に来た。「ベネズエラでは珍しい、超スローカーブを投げていました。すごく意欲があって、野球を楽しそうにやっているが印象的でした」。12、16年には現日本ハムの村田透投手が同僚だった。「彼はずっと先発で、13、14年もベネズエラの別のチームにいたんですが、メジャー傘下の選手は球数制限があり、なかなか5回まで投げられず、勝ち星がつなかった。でも、目的意識が高く、自分からチームに溶け込もうとしていた。16年に初めて勝ち星が付いた時は喜んでいましたね」

 経済危機の影響でここ10年、国内の治安は年々悪くなっている。本間氏は「11年頃からは強盗を避けるために『夜は赤信号でも止まるな』と言われるようになった」と明かす。

「空港に着いた米国人選手が誘拐され、持ち物をすべて奪われ、知らない場所で裸で放置され、FBIが捜査に乗り出したこともありました。選手の家族が身代金目的で誘拐されることも珍しくない。メジャーのチームと契約して、契約金で家を建てると目立つので、誘拐される原因になっています」

 15年ごろからスーパーから物が消え、16年からはホームゲーム時も、自宅から球場まで軍隊の護衛がつくようになった。「その頃から夜は出歩かなくなり、ビジターの試合後、ホテルのバーで飲むくらいになりました」。ハイパーインフレは年々悪化し「物を買う時は大量の札束を持ち歩かないといけなくなりました」。巷では、ゴミ箱をあさって生活する人が増えた。

国民の平均月収は8ドルくらい「配給もあるが、届かないことも多く、まだまだ生活できない状況です」

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