代打はレギュラーへの登竜門?それとも職人技? 一振りで結果を残す打者たち
DeNA佐野は通算10本塁打のうち半分の5本を代打本塁打で放っている
DeNAの佐野恵太は、代打では86打数23安打の打率.267だが、ここ2年で中谷を上回る5本の代打本塁打を打っている。2016年ドラフト9位で入団した佐野は、通算10本塁打のうち半分が代打での一発だ。2019年3月31日の中日戦では代打サヨナラ安打、4月4日のヤクルト戦では、代打満塁本塁打を打っている。得点機会で極めて強い打者だ。
しかし、佐野も代打での活躍が期待されているわけではない。今季、MLBに移籍した筒香嘉智の後任のキャプテンに任命され、ラミレス監督は4番として起用することを明言している。当然、筒香のようにチームを背負って立つ選手になることを期待されている。
代打本塁打数だけで言えば、昨年まで広島のバティスタが過去3年で7本塁打を打っている。バティスタは2016年にドミニカ共和国のカープアカデミーから広島に入団。2017年6月3日のロッテ戦に代打で1軍デビューしたが、この打席で本塁打。これを皮切りに2017年は4本の代打本塁打。2018年も3本打っている。
バティスタの場合、3年間の代打成績は73打数13安打、打率.178と確実性には欠けたが「一発の怖さ」が脅威になった。そうしたアピールもあって昨年はレギュラーの座をつかんだ。残念なことにドーピング検査に引っ掛かって契約解除となったが「代打での活躍」を足掛かりにレギュラーになったと言えるのではないか。
パ・リーグでは昨季までソフトバンク、今季からロッテの福田秀平がここ2年で5本の代打本塁打を打っている。打率も3年通算で49打数16安打の打率.327。2019年6月21日の巨人戦では元同僚の森福允彦から代打満塁本塁打を打っている。
福田は打撃も良く、外野守備も優秀だったが、ソフトバンクでは長く「スーパーサブ」だった。しかし昨年オフのFAで、ロッテに移籍。年俸も跳ね上がったが、福田自身もレギュラーの座を求めて移籍した。彼も「代打の切り札」に甘んじる気はないはずだ。