山田久志、福本豊にブーマー、イチローも! 「プレイバックORIX」で球史にふれる

「がんばろうKOBE」で結束したオリックス・ブルーウェーブ

 オリックス・ブレーブスは初年度から2年連続2位に食い込み、新球団として上々の滑り出し。すると、91年シーズンよりチーム名は「オリックス・ブルーウェーブ」に、本拠地は西宮から神戸へ、マスコットもブレービーから「ネッピー」に変更。オリックス・ブルーウェーブとして再出発したチームは、94年の仰木彬監督の就任をきっかけにパ・リーグに新風を巻き起こす存在となっていく。

「仰木マジック」は就任1年目から炸裂。シーズン順位は2位だったが、レギュラーに抜擢されたイチロー外野手がプロ野球初のシーズン200安打達成、打率.385で当時のパ・リーグ新記録を樹立。新たなスター誕生にオリックスファンの胸が高鳴った。

 ところが、1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生。「がんばろうKOBE」というスローガンをユニホームの右袖に記した選手たちは、当初の予定通り本拠地・グリーンスタジアム神戸でシーズンを戦った。結果はオリックスとなって初めてのパ・リーグ優勝。復興の灯火となった。

 96年も3万人のファンが集結した神戸で開幕戦を迎えたオリックスは、星野伸之投手が4安打無失点の完封。藤井康雄外野手の適時打による1点を守りきった。

 春先からなんとか上位に食らいついていたが、5月下旬からは2位をキープ。シーズン後半に入ると、それまで1番だったイチローが3番、代わって田口壮外野手が3番から1番打者を務めるようになり、順位も8月下旬に首位浮上。9月1日から7連勝し、頂点目指して突き進んだ。そして9月23日の日本ハム戦、延長戦にもつれながらも、最後はイチローがサヨナラ打。2年連続優勝を大観衆が詰めかけた神戸で決めた。日本シリーズは巨人を4勝1敗で倒し、19年ぶり4度目の日本一となっている。

「プレイバックORIX」では96年優勝シーンのほか、星野、ブレイザー投手、高田誠捕手、藤井、田口、イチローらが登場する、オリックス・ブルーウェーブの映像を公開中だ。黄金時代を鮮烈に記憶しているあなたも、あの頃の記憶が薄れつつあるあなたも、当時を全く知らないあなたも「プレイバックORIX」で温故知新。名場面を目に焼き付けてオリックスへの熱意をさらに高めてほしい。

(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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