「まぁ、ありがたいかな…」 西武辻監督が登録枠増の“特別ルール”に吐露した内情
外国人登録枠増も待望
特に西武はもともと手薄な先発投手陣から、14年ぶりにチームに復帰した松坂が調整不足で脱落。貴重な左腕の新外国人ノリンも2軍落ちした。先発投手陣の不安を、リリーフ陣の数で補いたいところだ。
打線は3年連続パ・リーグトップのチーム打率を誇るだけに、なおさらだろう。「うちの場合、打線の方はケガ人が出ない限り、ある程度固定された選手で戦うことになるので、その分投手に厚み持たせたい」と辻監督はうなずいた。
さらに外国人の1軍登録枠が増えれば、西武にとってはチーム構成上、願ったりかなったり。現在チームには先発投手要員のニール、ノリン、リリーフのギャレット、野手のメヒア、スパンジェンバーグの計5人が在籍。1軍登録枠が5人に増えれば、ギャレット、メヒア、スパンジェンバーグを常時出場させながら、ニールとノリンを1軍登録を抹消することなく毎週先発させることも可能になる。
一方で、延長10回打ち切りには、「当然引き分けの試合が多くなる。昨年はうちだけ引き分けが少なくて、どっちに有利になるか微妙だった。まぁ、負けないようにやるしかないよ」(辻監督)と不安ものぞかせた。
確かに、昨季リーグ優勝を果たした西武だが、引き分けは1と極端に少なく(オリックスは7、ソフトバンクと日本ハムは5、楽天とロッテは4)、引き分けの多い他球団が1つの勝利で意外に大きく勝率を上げる脅威にさらされた。果たして今季限りの特別ルールを、自軍に有利に活用できるチームはどこなのか。見ものである。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)