「下位打線と呼ぶのはやめてくれる?」 西武山賊打線の“控え組”が急成長

秋山が抜けた穴を全員でカバー、若手の成長と新助っ人の活躍があればお釣りも…

 22歳の鈴木将平外野手も成長著しい。11日に5打数3安打2打点の活躍で、指揮官を「スイングが鋭くなった。課題もまだまだあるが、レギュラー陣に何かあったら必ず先発でいかなきゃいけないところまで成長してきている。(レギュラーの)木村や金子が調子を落とせば、わからない。そういう意味で刺激を与えている。競争意識を持ってやってくれればいい」と喜ばせた。

 5年目の呉念庭(ウー・ネンティン)内野手も打撃好調で、辻監督は「ネンティンもいいのよ。今年パワーアップしたみたいで、もし源田に何かあったら、(先発の)ショートでいくというくらい」と評する。

 昨季まで不動のリードオフマンだった秋山翔吾外野手がメジャーへ移籍して抜けた穴は、1人では埋められなくても、こうした若手の成長と新外国人スパンジェンバーグの活躍があれば、お釣りが来そうだ。

 西武が誇る“山賊打線”は、レギュラーと控えの差が激しいとみられていたが、ここにきて様相が変わってきた。スパンジェンバーグ、金子、木村が並ぶ外野陣の背後に川越、鈴木が控え、遊撃手で主将の源田のバックアップは呉。指名打者はもともと左の栗山、右のメヒアのツープラトンだ。打撃陣に関しては、2チーム作れそうな戦力が整いつつある。

「ウチの場合、下位打線と呼ぶのはやめてくれる? ウチでは“下位”という表現はしないから」というのは最近、8番を打つスパンジェンバーグ、9番の木村らの打撃好調をうけて辻監督が口にした名言だが、そのうち「“控え”と呼ぶのもやめてくれる?」と言い出す日も近いかもしれない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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