西武スパンジー激変の舞台裏 辻監督が打率0割台でも1番起用を貫いたワケ
「足が速いし選球眼もいい。ツボにはまると、意外に長打もある」
もともとスパンジーは来日以来、調子の波が激しく、周囲の評価も昇降を繰り返してきたが、指揮官の見方は一貫している。3月のオープン戦・練習試合では、10試合で30打数4安打、打率.133、本塁打0と振るわなかったが、辻監督は「まだ日本の投手に慣れていないところがあるが、足が速いし選球眼もいい。ツボにはまると、意外に長打もある」と買っていた。内外野どこでも守れて、走れるスパンジーは、“辻野球”向きの人材といえる。
新型コロナウイルス禍による活動自粛期間を経て、今月2日以降の練習試合では、突然変異的な3試合4本塁打の固め打ちを皮切りに、10試合通算34打数17安打で12球団トップの打率.500をマーク。打順は下位から1番に昇格した。
スパンジー自身は不振の開幕3連戦を終えても、「長いシーズンにはヒットの出ない試合もある。それほど深刻には考えなかった」と言う。今後も調子に関わらず、心が折れることはなさそうだ。「ホームランが出たからといって、それに引っ張られず、気持ちを切り替えて次の試合に臨みたい。一喜一憂せず、同じアプローチを続けたい」と落ち着きはらっている。そして、辻監督の評価も大きく変わることはないだろう。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)