なぜ獅子のサブマリンはまだ未勝利なのか? 専門家が語る勝てない投手の“あるある”と課題
「先に点を取られる。点を取ってもらった後に取られる。やってはいけない野球のセオリー」
トミー・ジョン手術を経験し、育成から返り咲いた與座は開幕から2試合続けて6回3失点と粘投。この日も1回以外は走者を背負う展開ながら、しぶとく援護を待つ投球を続けていた。ただ、内容を詳しく見てると、過去2戦はいずれも先制を許しており、この日は先制してもらった直後に2ランを浴びて逆転を許した。
「先に点を取られる。点を取ってもらった後に取られる。やってはいけない野球のセオリーですし、勝てない投手の“あるある”的な部分でもあります」
さらに野口氏は、球が低めに集まりがちなアンダースロー投手ならではの配球面も指摘。打者の目先を変えるための効果的な高めの球を、森友哉捕手がしばしば要求してきた点は評価しつつも「あとはインコース。捨て球にするにしても、ファウルをとるにしても、打者の目線をインコースにも向けさせることが大事。そうすれば投球の幅も広がってくると思います」と話した。
3度目の正直とはいかなかったが、與座は球数を消費しながらもテンポよく投げ込み「全体的にはいいピッチングをしていたと思います」と野口氏もうなずいた。この教訓を生かし、課題を乗り越えた先には、待望の初星が待っているはずだ。
(小西亮 / Ryo Konishi)