出場辞退に「世間の声もあったのかな」 失意の主将を救った父・中山秀征氏の言葉
納得のいかない日々のなか、前を向くきっかけとなった父・中山秀征氏の言葉
納得がいかず葛藤を抱く日々のなか、前を向くきっかけとなったのが父である中山秀征氏の言葉だ。
「『悔しいのはわかる。でもその悔しさが来年の夏につながるんじゃないのか?』と言われて。野球に関しては父が一番の理解者で、いつも父の言葉に助けられてきた。中学最後の大会で敗退したときも『勝負の世界なんだから、負けることもある。この負けは絶対次につながるから』と言われ、自分にはまだ高校野球があるじゃないか、続けることが大事なんだということを教わりました」と脩悟主将。今はまだ入部もままならない新入部員を一人でも多く確保し、新チームで迎える秋の大会へ気持ちを切り替えている。
悔しい思いは生徒だけではない。茂久田裕一監督も選手と同じ葛藤の中にいる。指揮官は学校の教員ではないため、部活動が休止中の今、生徒たちと3月から1度も会えていない。
「何とか大会に出してあげたいという思いです。野球をやりたくてもできなかった期間が長かったので、やらせてあげたい。発揮する場所があるのに、出場する権利もないというのは……」
言葉に詰まった。茂久田監督も大会の辞退を学校側から通達されたのは抽選会前日。その翌日には、東西東京大会の抽選会が行われていた。近くて遠すぎる大会の場。無念の思いでいっぱいだった。