優勝候補追い詰めた“あの瞬間”を超えたい 東京・駒込高校の「思い出の選手名鑑」
3年前の春、関東第一を9回2死から一時逆転…敗戦も得たものは大きかった
◇金丸健太監督
チームスローガンは「Impressive Baseball~人々を巻き込む野球~」です。2017年4月6日、東京都春季大会の3回戦で関東第一高校と対戦しました。3-5と2点ビハインドの9回2死2ストライクから4番が2ランを放ち、5-5の同点に追いつきました。
この瞬間、駒込のスタンドはもちろん、中立な立場のスタンドの人たちからも大きな拍手をいただきました。駒込高校は野球推薦もなく、どこかで野球の夢に破れた選手もいますが、野球で人々を巻き込むようなことができるのだということを肌で感じました。
このような空間を作り出すには、試合の瞬間だけ頑張っても達成することはできません。練習で真剣に自分の成長に挑み、仲間の想い共有してチームワークを作ること。普段の生活に向き合い、家族に感謝すること。学校生活も野球部を表現する一つであると捉え、提出物や態度など様々な方面に全力を尽くすこと。これらすべてが「あの瞬間」につながるということを理解したうえで行動していきたいと思いました。
今年の3年生には新たな取り組みとして「選択練習」を取り入れました。グラウンドで今よりもっと判断の利く選手になってもらいたい、そのためには自分の行動を自分で決める習慣を徹底していきたいと思ったからです。
非常に充実した選択練習を繰り返していた矢先に活動停止、期待が大きかっただけに言葉もありませんでした。6月21日に練習が再開。ものすごく短い時間しかできませんが、保護者や学校の協力があってこそ練習ができていることが理解できているので内容は濃くなっています。大会前に実戦が積めるのかがとても不安ですが、最後の瞬間まであきらめない駒込高校の野球を体現して、新たな“あの瞬間”を作ってもらいたいと思っています。