プロ1本に絞った北海道No1右腕 最速148キロで挑む甲子園は「一番のアピールの場」
冬場のトレーニングで最速は6キロ増の148キロも、投球内容には納得いかず
冬場の徹底した体幹トレーニングも実り、4番を任される打撃では練習試合再開後に3試合連続本塁打を放つなどパワーアップ。昨季142キロだった最速も148キロまで上がった。目標の150キロ到達も目前だが、片山自身、肝心の投球内容には納得していない。「パワーがついて重くなった体をまだ使いこなせていないんです。力んでしまって、余計な力が入ってしまう。今は悪いなりに我慢の時期。球数を放るにつれてフォームもつかめると思うので、今は焦らずに踏ん張る時期だと思っています」と冷静に分析する。
これまで西武・松本やソフトバンク・千賀らのフォームを参考にしてきたが、今見ている動画はプロの投手ではなく、自分自身のもの。「こう投げたいという理想はもうあるので。その理想にどうしたら近づけるかを考えています」。投球練習時には、背面以外の3方向から動画を撮影して、頭の中にあるイメージと実際の体の動きを一致させる作業を行っている。
今秋プロ志望届を提出する予定の片山にとって、アピールを目論んでいたセンバツが中止になっただけに、甲子園交流試合に懸ける思いは強い。「プロはずっと目指している場所。今はまだレベルに達していないので、甲子園でベストを出せるように。最後の大会になるので、しっかりやりきれるように準備します」と力を込める。
5日の練習試合を視察した日本ハムの白井康勝スカウトは「腕の振りが強く、球速は間違いなくこれからもっと出る(この日は最速142キロ)。四球を出さないコントロールの良さは指先の感覚を持っている証拠。公式戦を見るのが楽しみ」と高く評価した。
名前の楽生(らいく)には、漢字の「楽しく生きてほしい」という願いと英語の「人から好かれる人になってほしい」という願いが込められている。北海道独自の代替大会、そして甲子園交流試合へと続く高校野球最終章を楽しみながら、ベストピッチを披露する。