バットを避けるように曲がる横スライダー お股ニキが選ぶMLBを代表する4投手
故・野村克也氏が“一流の変化球投手”と高く評価、プラス1は田中将大
【プラス1】田中将大(ヤンキース)右投
回転効率30.6% 平均球速81.89マイル(約131.8キロ) Spin Axis 9:43 2390回転
空振り率15.1% 使用割合36.33% 被打率.192 ピッチバリュー/100:2.0
横スライダーでは、同僚アダム・オッタビーノが投げるブーメランスライダーと迷ったが、田中将大のスライダーを選出することにした。
高卒1年目から故・野村克也氏に“一流の変化球投手”と評価され、球団創設間もない楽天で2桁勝利を挙げた田中のスライダーは、元々はザック・グリンキーのような縦スライダー的な質が強かった。メジャーでもスプリットと共に効果を発揮していたが、2018年のシーズン半ばからややスピードを落として変化量を大きくし、横スライダータイプに変更したようだ。
スラーブのような要素が入った横スライダーは、空振り率は若干下がったもののピッチバリューなどは上昇しており、スライダー単体での改良という意味ではまずまずの成果を発揮している。一方で、本来の武器であるスプリットの質が悪化。元々4シームの質には課題があるタイプだけに、このスライダー頼みとなることが少なくなく、相手に癖やサインなどで球種を読まれたり、試合の中で慣れられたりすると対応されることもあった。
田中と前田はかなり似たタイプの投手だが、変化球の改良や推移まで似ている点が興味深い。先発投手としてどこまで総合力を高めるような進化を見せてくれるか、今後も注目だ。