首位狙う楽天、好調の要因は? 元コーチが探る投打の鍵と三木監督の“非常識力”
楽天へ抱く大きな期待「今年は優勝争いを繰り広げてくれる」
――楽天が強力打線というイメージはあまりありませんでしたが、今シーズンこれだけ楽天打線が好調な理由は?
「確かに投手のイメージの方が強かったかもしれないですね。ただ、茂木とか能力の高いバッターは多かった。けれど、ポジションとか守備面、故障とか含めて、自分の打撃能力がいまいち発揮できていなかったんですよね。それがいろいろなものがクリアになったことで、本来持っている打撃が出てきているんじゃないかなと思います」
――7年目の内田靖人選手も調子がいいですね。
「僕が思うには、遅いですね。コーチとして楽天に戻った2015年の時だって、すでにかなり期待されている選手でしたけど、なかなか他の選手の兼ね合いもあって出場機会に恵まれなかった。ずっとファームの主軸としてやらざるを得ない状態でした。去年まで2軍監督だった三木監督はファームでずっと内田を見ていたから期待して起用しているだろうし、それにしっかり応えている感じはありますよね」
――内田選手は昨オフ浅村選手に誘われて一緒に自主トレを行ったそうです。
「そうなんですね。浅村っていうと逆方向の打球のイメージが非常に強い。最近の内田の打撃内容を見ていると、逆方向の打撃が非常に多いように思いますね。この間の西武戦(7月19日)での満塁ホームランもそうでした。ボールを長く見る。ポイントをキャッチャー寄りに引き付けて逆方向に飛ばす。そういったところは浅村の打撃の影響を受けているのかなとも思いますね。僕がコーチとしていた頃は、比較的引っ張る、プルヒッターのイメージが強かったんですよ。空振りも多くて、変化球への対応力も低かったところが1軍に定着できなかった理由でした。それが、ポイントを近付けて長く見て逆方向に打つことで、コンタクトする確率は上がってきたと感じます」
――新人の小深田大翔選手も注目です。
「小深田には期待していますよ。茂木の状態がいいので思ったより起用されていないですが、使われていればそれなりの成績を残せたと思います」
――これから優勝に向けて、楽天の打者のキーマンは誰でしょうか?
「ここまでを見ていると、やはり浅村ですよね。現在は浅村、茂木、ロメロなどがかなりよくやっているので、彼らが調子を落とした時にカバーできる選手が必要。ブラッシュとかの状態がもう一つなので辰己、島内、内田らが支えられるようになると強いですね。投手陣もいいピッチャーが揃っていますし、今年の楽天は優勝争いを繰り広げてくれると期待しています」
(「パ・リーグインサイト」本間奈保子)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)