なぜ村上宗隆は「ミスショットが激減」したのか? 専門家が見る進化の要因とは…
「去年は困ったらインコースに投げておけばいい打者」だった村上
三井氏はスコアラーとしての目線から「去年は相手から見ると、困ったらインコースに投げておけばいい打者でした。しかし、今年は“良い詰まり方”をしている。去年どん詰まりだったものが、今年はバットの芯に近い部分でとらえるようになり、内野手の頭を超えるようになった」と驚嘆する。
ヒットになれば、相手投手は内角一辺倒というわけにはいかなくなる。昨年は内角球を意識するあまり、開きが早くなり打撃フォームを崩すことがあったが、今年は外角球が増えた分、安定したフォームで打ち続けている。そういう好循環が生まれているというのだ。
今季の村上を打ち取るとすれば「外角のストレートには、長いリーチで完全に届くのでダメ。内角も、低めは距離を取れるので危険です。インハイの速い球を見せた後、低めのボールになる変化球を振らせることが基本線になるでしょう」と分析しているが、昨季よりも格段に手ごわくなっていることは間違いなさそう。持ち味の一発も増えはじめており、今シーズンを終える頃にはどんな成績を残しているのか楽しみだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)