川崎宗則が開始1時間で若手に伝えたこと 練習参加初日でBC栃木に「ムネリン効果」
元中日・若松は川崎のBC栃木入りを熱望「川崎さんが後ろで守るマウンドで投げたい」
39歳の声が、ひときわよく響く。その活力に引っ張られるように、20歳前後の選手たちが懸命に白球を追う。ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスの選手たちが汗を流すグラウンドに、元気印の姿があった。24日から4日間、元ソフトバンクの川崎宗則内野手が練習に参加。メジャーリーグも経験した大ベテランは、驚くほど違和感なく、年齢が倍近くも違う若手と会話を交わしていた。
時間は必要なかった。ウォーミングアップを済ませ、練習開始からまだ1時間もたってないころだった。室内練習場でのマシン打撃の合間、NPBを夢見る選手たちに声を掛ける。「何歳?」「21です」。すると川崎は、若さが秘める可能性を説き、彼らが目指すNPBの華やかさを強調。「夢があるよ! ジャパニーズドリームよ!」。焚きつけるようにそう叫んだ。
「若いうちから結果を残していければ、その分夢も大きくなるんだなと思いました」。高卒3年目になる新山進也内野手は、川崎の言葉に背筋が伸びた。間近で一緒に練習し「めっちゃ緊張しました」と言いながらも、川崎の一挙手一投足を凝視。バットのヘッドが下がる癖があるため、高めの球からティー打撃をするのだと聞き「1球1球しっかり意識しながら集中してやられているのはすごかったです」と目を輝かせた。
川崎は、言葉だけでなく行動でも示した。炎天下のグラウンドでのノック。本来ならマイペースに体の動きを確かめる程度で済ますところだが、なるべく若手と一緒にやろうと休憩は最小限で打球を受け続けた。三塁の守備で、ボテボテのゴロ対して全力で突っ込んで捕球するプレーを繰り返している際には「(捕球タイミングを)合わせるもんじゃないから」との声も。助言を受けた19歳の大貫礼央内野手は「細かいことより、いかにアウトにするかということを考えると教えていただきました」と感謝した。