「毎週進化している」 BC栃木入団の川崎宗則、福岡の“弟子”が語る現役へのこだわり
メジャーも経験した川崎の試行錯誤「想像力やイメージがプレーを生み出していく」
試行錯誤を繰り返す理由のひとつとして、川崎はこう言ったという。「メジャーはそもそも日本人とは筋肉や骨格が違うからとみんな言うけど、それは違う。想像力やイメージがプレーを生み出していくんだから、そのためにどうするべきかを考える」。ブルージェイズなどで5年間プレーした経験をもとにした信念でもあった。
交流が始まったのは12年前。19歳だった流さんが四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに加入する直前、当時チームの監督だった定岡智秋・現ヘッドコーチを通じて鹿児島での自主トレに参加したのがきっかけだった。俊足で同じ左打ちの内野手。ソフトバンクで不動の地位を築いていたにも関わらず、人を選ばない底抜けの明るさにも惹かれ「全てをムネさんから学びました」と言う。
2019年のラグビーW杯で活躍したSH流大の兄でもある流さんは、11年に高知で盗塁王を獲得するなどNPB球団も注目する選手だったが、故障もあり12年に硬式を引退。15年に野球塾「Shooting Star Baseball Academy」を開いた。普段は小中学生を指導する傍ら、オフには川崎やソフトバンクの本多雄一・現1軍内野守備走塁コーチら多くのNPB選手の自主トレの場として提供してきた。
「僕としても、出来る限りムネさんのサポートをしたいと思っています」。3年ぶりの国内復帰で、真剣勝負でのプレーを間近で見ることができる。加齢とともに体力面が下降するのは逆らえない。ただ、それを補う練習の質、ケア、アイディア、経験……。師匠が歩む進化の過程を、これからも見届けていく。
(小西亮 / Ryo Konishi)