反対押し切り父が監督の名門校に…甲子園の夢絶たれても縮まった親子の距離

卒業後も父と同じ道目指す「家の中でも、野球でも、一番尊敬する人は監督」

 8つに分かれた地区トーナメントでは、3試合中2試合を無失点コールドで勝利。決勝では、昨夏の甲子園で準優勝した習志野に立ち向かった。県内の公式戦で1年以上無敗を誇る強敵に対し、初回から打線が繋がり、12-2の思わぬ大差で5回コールド勝ちを飾った。決勝トーナメントの準決勝で専大松戸相手に逆転で敗れてベスト4で最後の夏を終えたが、昨夏ベンチに入ることができなかった8人の3年生投手も、大会を通じてマウンドに立つことができた。全員で戦い切れたことが、主将として一番の喜びだった。

 だから、涙はすぐに笑顔に変わった。父と一緒に戦ってきた日々もこれで終わる。「入学することを許可してくれ、2年半しっかり指導してくれたからこそ、ここまで成長できました」。初めて感謝の思いを言葉にした。卒業後は父の母校・国際武道大に進学すべく、これからは机に向かう日々が続く。

「家の中でも、野球でも、一番尊敬する人は監督ですし、このあとも本気で野球を続けて、父親のような、監督のような人になりたいです」

 やはり球場では、父ではなく、監督のまま。少しだけ近くなった気がするその背中を、これからも追いかけていく。

(Full-Count編集部)

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