160キロをいとも簡単に… 日ハム渡邉諒“直球破壊王子”の打撃をデータで迫る
ど真ん中の直球は、渡邉にとってはまさに“絶好球”
最初に、渡邉が直球を打ったシーンにおける、コース別の打率について見ていきたい。まず、ど真ん中の直球に対しては14打数9安打の打率.643と、極めて高い打率を残しており、甘い球に対するミスショットが少ないことがうかがえる。そして、8月23日までに放った4本塁打のうち3本はど真ん中の直球を打って記録したものであり、真ん中に入ってくる直球は、文字通りの“絶好球”といえる。
ど真ん中の投球にする安打の方向を見てみると、左方向への安打が5本、センター方向への安打が3本、右方向への安打が1本と、センターから左方向への打球が大半を占めていた。こうした点からも、甘い球に対しては思い切りよく引っ張って、力強い打球を飛ばそうという渡邉選手の打撃意識が見て取れる。
その一方で、アウトコース高めの直球に対しても5打数3安打の打率.600と好成績を残している。こちらは逆らわずにセンター前やライト前に弾き返していくケースが多くなっており、引っ張ることが難しい球に対しては無理のない打撃を心掛けていることがわかる。
また、インコースの真ん中に来る球に対しては7打数4安打の打率.571とこちらも優秀な数字を記録しているが、このコースに対しては右方向への安打が2本、左方向、センター前への安打がそれぞれ1本ずつと打ち分けている。アウトコース高めと異なり、内角の球は引っ張るのに適した球ではあるが、無理に引っ張ることなく、右方向に流すこともできる対応力の高さが示されていると言えよう。