「練習で規制しなければ意味がない」 肘の権威と元メジャー右腕が考える「球数制限」
藪氏が小中学生に勧めるインナーマッスルの強化、古島医師も賛同
「しっかりルールで定めてもらい、指導者はそのルールに沿って子どもたちに絶対に無理させないという意識を持たないと、子どもたちはすぐに壊れてしまいます。このくらい練習から厳格に決めてもらった方がいいですよ」
野球教室などで小中学生に指導する機会も多い藪氏だが、その時はボールを投げ込むこと以上に、肩のエクササイズを重点的に教えるようにしているという。
「僕は少年野球をする子どもたちにゴムバンドを渡して、肩のエクササイズを教えるようにしています。1日30回でいいからエクササイズをしてインナーマッスルを鍛えるように言うと、継続してやる子はほとんど肩が痛いとは言いません。僕らが子どもの頃は、お風呂の中で水圧を利用して脇を締めたまま腕を左右に動かしたり、手をグーパーグーパーと動かしたり、そんな運動をしていました」
古島医師も、この藪氏が取るアプローチを高く推奨。小学生の頃からインナーマッスルを意識して使うことが故障の予防にも繋がるとした。
「小学生はインナーマッスルを使えずに投げているので、肩を痛めることあります。インナーマッスルは肩を支えて引っ張る力がかかるので、肩を安定させるためには重要な部分です。そこに刺激を与えて、筋肉を収縮したり緩めたりできるようになれば、大きな違いが生まれるでしょう。小中学生のうちは外側の筋肉を鍛えてムキムキにするのではなく、インナーマッスルを鍛えるエクササイズを1日10回程度やるだけでも、怪我予防の効果があると思います」
成長期にある小中学生を故障から守るためにはどうしたらいいのか。古島医師は医学的見地から、これまでも各地で啓蒙活動を行ってきたが、10月10日から全6回のコースで行うオンラインサロン「開講! 古島アカデミー」第1期をスタート。野球に励む小中学生の指導者・保護者を対象に、子どもたちを怪我から守るための基礎知識を分かりやすくレクチャーする予定となっている。故障を減らし、子どもたちが持つ可能性を大きく開花させるためにはどうしたらいいのか。大人たちが果たすべき役割は大きい。
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(Full-Count編集部)
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