日本ハム杉谷は「レギュラーとして活躍できる」 元2軍監督が認めるマルチな才能

日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】
日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】

清宮は「1軍だからこそ見られる」苦手なボールへの対応と守備に課題

 同じくファームで結果を残したといえば、清宮幸太郎が挙げられるだろう。2018年はファームで17本塁打を記録し大器の片鱗を見せたものの、1軍ではプロの壁に跳ね返されている状況だ。その課題を、田中さんは次のように分析する。

「自分の狙っている甘いボールを捉える確率は高い。打ちやすいボールはしっかり打てると思いますが、1軍の投手となるとデータもそろってきて、苦手なところも攻めてくる。打ち取るための配球をしてくる中でどう攻略するかが大事です。軸がぶれないように、体をもっと鍛えなければならないですね」

 同様に、その守備にも課題が残っているという。清宮の主なポジションは一塁。チームによっては外国人が担うなど「打」のライバルが多い一方で、内野ゴロの送球を受ける場所として失策も許されない。また、「ホットコーナー」と称されるように、左打者の引っ張った強い打球も処理しなければならない重要なポジションだ。

「あとは守備でしょうね。守備と送球がもう少し向上することだと思います。体が柔らかいのは見ても分かるので、柔らかさに強さを加えると良い。下半身の強化だったり、瞬発力っていうのを身につければ打球反応速度も速くなると思います」

 同年代にはヤクルト・村上宗隆やロッテ・安田尚憲などがいる。そうしたの中でも世代を代表する打力を誇っていただけに、その潜在能力は高い。清宮が1軍の壁を破る時を待つばかりだ。

 通算2012安打、ファイターズ一筋の「ミスターファイターズ」が見てきたかつての若手たちは、今や日本ハムの中心に成長している。その意志を受け継いだたちの今後の活躍が楽しみだ。そして、解説席から見守る田中さんのコメントにもぜひ注目してほしい。

(「パ・リーグ インサイト」吉田貴)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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