V間近の古巣「あの輪にいられたら」 元巨人マシソンが語る日本愛と阿部慎之助との絆

阿部慎之助との絆、2000安打達成後にもらったプレゼントとは?

 昨年9月27日のDeNA戦(東京ドーム)。阿部の引退試合も忘れることはできない。自身にとっても巨人最後の公式戦登板となった。

「何度も何度も彼と一緒にバッテリーを組んできたし、自分にとっても、最後の試合なんだろうなと思いながら投げていた。思い出深い試合になりました」

 2人の間に言葉の壁はない。阿部が2017年8月13日の広島戦(マツダ)で2000本安打を達成した。東京でマシソンは阿部と食事に出かけた。

「その時に、阿部さんは僕に記念のユニホームをくれたんだ。サインも入れて。大事にとってあるよ。僕の方からは、記念のキャッチャーマスクを渡したんだ。そのユニホーム、一緒にメッセージを添えてくれた。なんと書いてくれたかは今度、ファンの皆さんの前でお話ししたいね」

 ファンも大事にするマシソンらしい答えだった。来年の東京五輪・カナダ代表として日本に行くことを願い、トレーニングを行なったり、現地の有力高校の指導も行っている。日本へ行きたくても行けないため、オンラインでは、コミュニケーションを取ったりしている。10月17日の土曜日には応援してくれたファンを対象にした日本へ向けたオンライントークイベントに出演する予定となっている。

 マシソンは、今季の試合も毎日のようにチェック。マジックも順調に減らす古巣をどのように見ているのだろうか。

「自分にとって、優勝することはうれしいこと。でも、羨ましさを覚えることもあるよ。あの中にいられたらなと思ったり……。アメリカでプレーしていたより、ジャイアンツでプレーしていた方が楽しかった。その仲間がまた優勝に近づいているのはとても僕も楽しみ。頑張って欲しいね」

 今もチームメートと日本の野球を大事にしている気持ちが伝わってきた。良き思い出として心にしまってある。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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