100H100S達成の鷹・森唯斗 シーズン短縮でも変わらない“こだわり”とは?
プロ初セーブは2016年5月、5連投中のサファテの“代役”で登板
2013年のドラフト会議で2位指名を受けて入団した森は、1年目から1軍の中継ぎメンバーに。プロ初登板は2014年5月11日の西武戦。6点リードの9回2死から登板し、秋山翔吾(現レッズ)を二塁ゴロに抑えて試合を締めた。
プロ初セーブは2016年5月8日の楽天戦だった。5連投中のサファテの“代役”として9回を任され、3者凡退を記録している。
その後もサファテに繋ぐ勝ちパターンの1人として役目を全う。2018年4月にサファテが股関節を痛めて帰国してからは、守護神を担ってきた。同年9月18日から25日にかけて7試合連続セーブの日本記録も達成。シーズン37セーブでタイトルを獲得した。翌2019年は35セーブを挙げ、今年8月には100ホールドを達成。10月11日の今季26セーブ目で通算100セーブに到達した。
守護神は、抑えて当たり前、失敗すれば敗戦の責任を1人で負うという厳しいポジション。もちろん森にも苦い経験がある。
最初の失敗は2018年5月4日のオリックス戦だった。1点リードの9回にマウンドに上がった森は、1死から連打を浴び一、三塁とされて降板。続くモイネロがタイムリーと犠飛を許して逆転負け。森は2失点で負け投手となった。
同年6月27日の沖縄での日本ハム戦では、2点リードで登板するも本塁打、適時打で同点とされ、最後は押し出し四球を与えてサヨナラ負けを喫した。2019年にも5月までに3度の失敗を経験し、今季も7月2日の日本ハム戦で逆転サヨナラを許している。
それでも積み上げてきた100セーブという数に比べれば、ほんのわずかな数字。失敗という経験値が森の心を強くし、工藤監督にも「彼が投げて負けたら仕方ない」と言わしめるまでの存在となったことは間違いない。
大親友でもあるサファテから、きっとお祝いのメッセージも届くことだろう。200セーブとは言わず、サファテが成し遂げられないままの250セーブという記録に向かって、これからもタフネス右腕は投げ続ける。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)