楽天則本は「ギアが6速ぐらいある」 元MLB右腕が指摘する失点を許さない投球術

「1点は失っても、同じ回に2点、3点と続かないのが一流」

 則本は8月28日の西武戦で白星を勝ち取って以来、最近3戦では13回1/3を投げて12失点と奮わず。当然ながら勝利にも見放されていたが、この日のマウンドでは本来の姿を取り戻しているように見えた。象徴的だったのが、失点した6回と7回だったという。

「則本投手は6回、2連打と送りバントで1死二、三塁と大量失点のピンチを迎えましたが、マーティンの一ゴロの間に1点を失ったのみ。2死三塁から安田(尚憲)選手をセンターフライに打ち取り、追加点は許しませんでした。7回も、この日大当たりだった中村奨吾選手にいきなりソロ弾を浴びながら、後続3人を退けた。彼の場合、ギアが6速くらいあるので、失点後にギアを上げて窮地を脱することができる。1点は失っても、同じ回に2点、3点と続かないのが一流。それが続けばしっかりとした成績を残せるというわけです」

 7回で103球を投げ、1被弾を含む5安打7奪三振2失点(自責2)とクオリティスタート(6回以上自責点3以下)をマーク。自身1か月半ぶりの勝利まであと一歩だったが、届かなかった。

 今季残り22試合。らしさを取り戻した則本の存在は、クライマックスシリーズ進出を狙う楽天にとって大きなプラス材料となりそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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