「毎回になりますが…」 中嶋監督代行の言葉に凝縮されたオリックス負け越しの理由

リーグ3位のチーム打率.248も380得点はリーグ最下位

 今井から6回途中までに6四球を得ながら生かせなかった攻撃はいただけない。リーグトップのチーム81盗塁が示すように、積極的なスチールはオリックスの持ち味だが、相手を助けるような盗塁失敗はいかにももったいない。チーム打率.248はリーグ3位で決して低くない。それでいて、総得点がリーグで唯一300点台(380)にとどまっているのは、効率の悪い攻撃を繰り返している証しだろう。

 一方、今季開幕投手でもある先発の山岡は、「相手に『来年のオリックスは嫌なチームになりそうだ』という印象を与えることが大事だと思うし、『来年は手強そうだ』と思わせるピッチングをしたい」と意欲を示してマウンドに上がり、6回6安打1四球2失点の力投を演じたが、報われなかった。中嶋監督代行は「山岡はゲームの形を作ってくれました。毎回になってしまいますが、なんとか援護をしたかったです」と悔やんだ。

 前日(15日)に今季優勝の可能性が完全消滅し、この日は負け越し決定。中嶋監督代行は「ネガティブな数字が並んでしまいますが、どうやって前を向いていくかが大事だと思います」と言う。

 西村前監督が16勝33敗4分(勝率.327)の不振の責任を取って辞任し、2軍監督から昇格した中嶋監督代行の下では21勝25敗2分(同.457)。数字は改善されているとも言えるが、黒星先行には変わりがない。残り試合で、どれだけ来季へ向けて光明を見出せるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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